サーカス

墓場とサーカステント

サーカス

 

もう誰も来なくなった空き地に
穴だらけのテントがある
テントの中では
夜な夜なサーカスだ
高い天幕の近くで
体の透けた少女がロープを渡り
円形広場の真ん中では
腐った象に乗った
骨だらけのピエロが踊る

 

楽隊の音色はばらばらで
まるで雑音だ
太鼓がどんと鳴っても
ラッパが合わせない
バイオリンは勝手にキーキー弾き
シンバルは好きなだけジャンジャン打ち
ムチを持った猛獣使いは
靴紐を直している

 

ライオンだって生あくびだ

そのライオンが

水を飲めば
むき出しのあばらから水が漏れ
客席は水浸しだ

 

そこに泥だらけの少女が

頭に大きなリボンをつけ
着ている赤い服は泥だらけ
母親は痩せ細り
歯は欠け目は飛び出し
口は耳まで裂けている
少女の服には虫が湧き
それでも母親は
自分たちの容姿が気になるのだ

自分と娘が人からどう見られているか
それが気になって仕方が無い

 

首の無い男が馬に乗り
青白い火の輪をくぐりはじめた
今夜もまた
サーカスは絶好調だ

夕焼けとサーカステント

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